2016年04月30日

国後島の地熱資源(メンデレーエフスカヤ地熱発電所)

北方領土の地熱資源の記事で、北方領土には2つの地熱発電所があることを述べましたが、ここでは国後島のメンデレーエフスカヤMendeleevskaya 地熱発電所について説明します。
メンデレーエフスカヤ地熱発電所は、国後島のメンデレーエフ火山(日本名:羅臼山)のふもとに位置する現在操業中の地熱発電所で、人口約7,000の町であるユジノクリリスク(古釜布:ふるかまっぷ)に電力と暖房を供給しています。
エネルギヤ・ユジノ-クリリスクЭнергия Южно-Курильскаяという電力会社がオペレーターです。発電所-市街間の12.3kmの送電線(35kV)も管理しています。

Менделеевская ГеоТЭС.png
図.メンデレーエフスカヤ地熱発電所(Svalova & Povarov,2015)

Goryachii Plaz(熱い砂浜)と名付けられた地熱エリアに、生産井があります。
Mendeleev火山地質図.jpg
図.メンデレーエフ火山周辺の地質図と生産井の位置(Chudaev et al.,2008).

上の図面の真ん中あたりに生産井No.101号があります。
この井の掘削後6か月後の温度プロファイルを下図に示します。掘削後6か月後の温度が深度500mで、242℃になっています。化学組成的には、スケーリングを引き起こすような量のアモルファスシリカは含まれていないようです。
温度プロファイル.jpg
図.生産井No.101号の試錐孔の6か月後の温度プロファイル(Chelnokov,2004)

現在の設計出力は3.6MWeですが、操業はあまりうまくいっていないようです。2014/12/04 に公開された北海道新聞社の<北方四島・映像だより>によると、現状は1.0MWe程度とのこと。
道新映像だより地熱発電.jpg
図.メンデレーエフスカヤ地熱発電所の映像(道新<北方四島・映像だより>)
https://www.youtube.com/watch?v=m2697--LbPs

将来的には出力を6.0〜7.4MWeまで引き上げる計画があります。暖房に関してはユジノクリリスクの需要の100%を供給しています。


引用文献
Chelnokov G.(2004): Interpretation of geothermal fluid compositions from Mendeleev volcano, Kunashir, Russia. The United Nation University, Geothermal Training Programme, Orkustofnun, Grensásvegur 9, IS-108 Reykjavík, Iceland, Number 5, p57-82
Svalova,V., and Povarov, K.(2015):Geothermal Energy Use in Russia. Country Update for 2010-2015.Proceedings World Geothermal Congress 2015. Melbourne, Australia, 19-25 April 2015. p1-5.
Chudaev O., Chudaeva V., Sugimori K., Kuno A., and Matsuo M.,(2008): Composition and origin of modern hydrothermal systems of Kuril island arc. Indian.Journal of Marine Sciences.Vol.37(2).pp166-180.
タグ:地熱 国後島
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 22:29| Comment(0) | 北方領土の地熱 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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